なんとなくワーホリさん、就労ビザを取りまして

2017年4月YMS開始、12月英企業に就職、19年2月ビザ取得。

激動の2020年上半期を振り返った

平易な文章でかつ、とても学びが多いので一読することをお勧めします。
www.facebook.com

 

アメリカの黒人に起こる差別の数々をpersonaliseしたエッセーで、事実だけを淡々と述べて白人を貶めず悲劇のヒーローぶらない謙抑的な筆致がエッセーを高潔たらしめ、多くの白人がupsetせずに最後まで読めた理由と考えます。

テキスト分析の教材にしたいくらい優れた文章です。丸一日講義できる。

 

 

後半でI am an American of privilegeとDavidさんは語ります。

privilegeは特権と覚えたと思いますが、もう少し奥行きのある概念で、アメリカ社会を読み解くうえでは避けて通れないものです。

 

アメリカ社会のprivilegeについて教えてくれる強力なビデオがこちら。

 

youtu.be

 

子どもたちが$100を賭けてスプリントするのですが、8つの質問に当てはまるごとに2歩のハンデheadstart/leadをもらえます。

 

その質問と言うのが、

1. 両親がまだ結婚している

2. 父親役がいる家庭で育った

3. 私立学校に通うことができた

4. 家庭教師をつけることができた

5. 携帯を止められる心配をしたことがない

6. 各種billsの支払いで親を助けたことがない

7. (スポーツ推薦を除き)大学の学費を自分で払わなくていい

8. 次の食事がどこからくるか心配したことがない

 

これらが次々に当てはまる白人の子どもたちは、できる限りの大股で2歩進み、ほくほく顔。

一方で黒人の子たちは一歩も進めず、どんどん表情が曇っていきます。

 

8つの質問の後、前進した子どもたちは後ろを振り返るように促され、初めて黒人の子たちがほとんど一歩も動いていないことを知らされます。

そして、君たちが得たheadstartは君たち自身の実績や決断とは何も関係がない、と告げられます。

 

これがprivilegeです。

アメリカでは厳然たるprivilegeが存在していながら、privilegeを与えられた側はほとんどそのことに気が付かないまま生きていくとされます。

自分の豊かな生活をまるで自分の力で勝ち取ったように錯覚し、黒人などに対し怠惰ゆえに貧困であるというステレオタイプを固定してしまい、ときにそれが憎悪となります。

エッセーでもaffirmative actionやwelfare benefitsをめぐるエピソードでこれが浮き彫りにされていますし、playstationの話も、白人に伍してきた両親の闘いとプライドを示唆しているように思えます。

 

ビデオは続きます。

もし平等なスタートラインならば後ろにいる黒人の子たちがこのレースを圧倒するだろう。(前にいる)君たちが勝てるとしたら、それはただheadstartをもらえたからだろう。

誰も認めたがらないだろうが、君たちは生まれながらにheadstartをもらっていてスタートラインは一緒ではない。これが人生の現実だ。彼らは彼らで自分のレースを走らなければならない。でも誰が勝とうが、この$100を他の誰かの人生について知ろうとするために使わないとしたら、それはextremely foolishだと思わないか?

 

 

実はprevilegeは形を変えてどこにでもあり、privilegeを与えられた側がこれに気が付かないという構図も普遍的に存在しています。なぜなら、これらのprivilegedとunprivilegedが交じり合うことがないからです。

 

イギリスはご存じのように、フランス革命を衆愚政治と切り捨て、選挙権を小出しに与えて社会運動を分断したことで、大陸のような市民革命を経験せずに、階級社会を温存させた歴史があります。

うちの会社もロンドン出身や北部イングランド出身者はおらず、みな南部のカントリーサイド出身、ボーディングスクール育ちの裕福な坊ちゃん嬢ちゃん。

アルプスにスキー休暇を過ごすイギリス人たちが、裕福なのに全然垢抜けないのを不思議に思っていましたが、こぞって田舎者だというのに妙に納得したりしました。

 

privilegedはprivileged同士で交流して排他的なsocietyを作り、その中で出会うprivileged同士結婚して子どもを作ることで、階級は守られ強化されていきます。

 

日本も同じです。

僕は高校のときに、日本が階級社会であること、そして、自分が階級をいくつも飛び越えたことを知りました。

中の中だと思っていた地元が底辺の部類に入ること、生まれたときから陽の当たるところだけを歩いていく連中がいること、そしてこの2つの世界は交わることがなく格差は永遠に再生産されていくことを知らされました。

 

うちは三度三度の食事に困るような家では全くありませんでしたが、中学の地元の同級生は給食費や修学旅行費が払えないような家庭やDVや子ども一人暮らしの家庭が普通にありましたし、

中学には向こうの世界へのパイプがすでに深く根を張っていて、上納金のためにいろいろ恐ろしいことが行われていました。

 

地元の全うな友人でも外の世界には無関心で今でもほとんどが地元にいて、井の中の小さな幸せに生きていて、ときどきうらやましく思います。

外の世界に興味があった僕は隣町の学習塾に特待生で通い、某国立の進学校に進みます。160人中100人が東大、40人が医学部、学年の最下位でも旧帝大に進む高校です。

これが間違いの始まりでした。ここで僕は日陰者が来てはいけない陽の当たる世界に来てしまったことを悟り、全身を陽に焼かれ、底辺と頂点の間でアイデンティティが引き裂かれる思いを経験しました。

 

両親が東大、弁護士、医者で、生まれたときからsuccessへのレールを敷かれた子どもたちと、両親が高卒で教育に熱心でなく不良中学に放り込まれる子どもでは、教育的リソースや目的意識の差は埋めがたく、否応なく生まれながらのスタートラインの差を思い知らされました。

同時に、両親がいて三度の食事に困らない普通の家庭であった自分が、地元ではheadstartを与えられていたことにも気が付きました。

これが僕が日本のprivilegeを知った瞬間です。

 

大学はみんなが行くので東大文1から法学部に行きましたが、僕がDavidさんのようになれなかったのは、僕には覚悟がなかったからです。

能力的に届かなかったとは思いません。でも、世の中の仕組みを知るうちに、体制側=establishedや世の中を仕切る側=privilegedに対して漠とした嫌悪感や敵意を抱くようになり、自分がたまたまprivilegedの側に入れたことに欣喜して、そのprivilegedたちがestablishしたコードや流儀に従ってsuccessするような人生を潔しとすることができませんでした。

 

でもprivilegedから離れて生きていこうと思ったら、今度は様々な差別(逆差別)に遭いました。できて当たり前で努力は正当に評価されない、できない・知らないと異常に評価が下がる、意地悪な知識を試され知らないとマウントとられる、知人のすごい人の自慢をされてお前なんかすごくないんだぞという圧をかけられる。相手が自分がバカだと思われているとか見下されているだろうと思って、距離をおかれることもよくありました。

 

自分はunprivileged=庶民出身で、unprivilegedの自意識を持っているだけに、この扱いがずっと付きまとうと思うと耐え難いように思えました。駅の立ち食いそば屋のバイトの面接に落ちたとき、privilegedとunprivilegedの溝は深く、階級を誤って飛び越えたことでアイデンティティが宙ぶらりんになってしまった僕には、日本に心地よい居場所がないことを改めて悟りました。

だから逃げました。日本のprivilegeが追ってこない、等身大の自分を評価してもらえる海外へ。

 

今では大分丸く、大人になって、社会勉強のためにprivilegedの流儀に従ってみようという気になれたので、今のお仕事をしています。

でも、このお仕事はbullshit job=クソどうでもいい仕事、本質的にどうでもよい、あってもなくても世の中は困らない仕事だと思っています。privilegedをより豊かにするための仕事であって、僕自身の美意識や尊厳に反する、本質的に虚しい仕事です。

ほとんどの仕事はprivilegedの繁栄を支えるために存在しますし、privilegedの周りにしかお金は生まれませんので稼ごうと思ったらある程度仕方ないのですが、僕はいずれ辞めて、こういうクソどうでもいい仕事にやりがいを見出せる方に譲りたいと思っています。

 

普通に大学で就活していたら僕が進んでいたかもしれないコンサルとか広告代理店とか投資ファンドのような高給取りの仕事も、privilegedに寄生してprivilegedをより豊かにするためにある、クソどうでもいい仕事で、こういう仕事をしている人や目指している人に(僕にとって)一番話していて面白くない人が多いと思いました。相手も僕のことをそう思っていると思いますけれど。

今回のコロナ禍でも、ごみ収集人、配達ドライバー、バス運転手、レジ打ち、医療・介護従事者、こういう世の中になくてはならない、本質的に大切=essentialな仕事が低賃金でしかも感染リスクにさらされ脆弱な立場に置かれていることが明らかになりました。

あまり世の中の役に立たないprivilegedたちによって富は独占され、この再分配は機能していないのです。

 

 

我々は日本人に生まれたことで一定のprivilegeを享けていますし、こうして後顧の憂い少なく渡英できているのもprivilegeとみることもできるでしょう。与えられたprivilegeを自ら捨てる必要はもちろんなくて(それはブッダになれる!)、大切なのは、そのことを自覚して、他人の人生に思いを馳せること(みじめな東大生も笑)、privilegeゆえに勝ち取れた$100を喜んで分かち合えること、そしてときには$100をbackstarterに譲れること、なのだろうと思います。

今回のコロナ禍と黒人差別問題は、僕が日本を出た原点に立ち返り、心を豊かにしてくれる仕事や生活について改めて考えるきっかけとなって、学びや気づきの多い2020年の上半期となりました。

 

これから働き方は変わります。リモートワークが定着した結果、毎日会社に行くという謎の常識が崩れ去り、好きなところに住んで働くことが当たり前になり、毎日出社しなければならない会社ほど人気が失われ人材の確保が難しくなるでしょう。さらにスイスに住んで、イギリスの会社で週2日、日本の会社で週2日、地元の会社でも週1日働く、とか、毎日午前中だけイギリスの会社、午後からはアメリカの会社みたいなフレキシブルな働き方も生まれてくると思います(僕ならそういう会社を作ります)。

こういう生活は一部の裕福な人やスキルのある人にしかできませんでした。しかし人類の歴史は、一部の人に独占されていたことが、誰にでも手が届くものへとハードルが下がってきた歴史でもあります。テレビ、車、携帯電話、海外旅行、みんな特権階級の高嶺の花でした。高嶺の花だった大橋巨泉のような働き方も、多くのサラリーマンに手が届くようになるはずです。

祖父の世代は週6日一日16時間働いて忙しいと言いました。今我々は週5日一日8時間働いて忙しいと言います。次の世代は週4日一日4時間働いて忙しいと言うかもしれません。ライフスタイルそのものが変わっていくでしょう。

こういうことを考えて、より豊かで幸せな人生を歩めるように、日々変化に敏くありたいと思いました。 

 

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みんなが避けたい話題について真面目に話す会

人種差別問題に世界が揺れている。

 

黒人への差別が暴力を伴う闘争に発展したことはアメリカの歴史上何度もあった。しかし、今回はその規模において1967年の「長く熱い夏」をも凌駕している。これまでアメリカの黒人差別は、誰も手を差し伸べない、黒人だけの孤独な闘いだったが、今回は多くの非黒人も共鳴し、合流し、世界中に飛び火している。

 ここ数年で人々が差別やマイノリティの問題に急速に敏感になった証だろう。現代の若者はSDGsに代表される人類の普遍的な価値への熱烈な信奉者たちである。このエネルギーは無視できない。

 また、ソーシャルメディアで衝撃的な映像が流布したことは、人々の良心に訴えかけ、多くの人が議論に参加するきっかけとなった。丸腰の男性がゆっくり殺されていく映像(僕は怖くて見ていないし、この表現自体も躊躇われた、、)の衝撃がなければ、今回の事件もアメリカでよくある差別が生んだ悲劇のひとつとして片付けられたことだろう。

黙殺されてきた問題に光を当てた点で、ソーシャルメディアの果たした役割は評価できる。一方で、欧米諸国に責任があるシリアやイエメンなどの非常に緊急性の高い人道上の危機への態度の温度差に、ソーシャルメディアユーザーの気まぐれが浮き彫りとなった。注目を集めるにはもっともっと悲惨なイメージで溢れなければならないのか。

 

ソーシャルメディアで誰もが発信者になった結果、発信しないこともまた何らかのメッセージとして捉えられるようになり、「沈黙=差別を黙認」という図式で断罪しようとする社会的圧力が生まれたことも見逃せない。この「沈黙は共犯」という雰囲気が社会全体に広がった結果、多くの企業や有名人が反差別やデモへの連帯を表明する必要に迫られている。この背景には、消費者(ファン)の支持、将来の優秀な人材確保という企業の存続基盤を危険にさらせないという判断がある。

 今回の事件の直前に、ニューヨークのセントラルパークで黒人差別発言を行った白人女性が投資顧問会社を即解雇されるという出来事があった。欧米ではこうした事案への対応を間違えると会社は簡単につぶれてしまう。会社が一社員より会社の評判を守った象徴的な事案だった。

 消費を牽引する20代30代は、環境、性差別、人種差別、アニマルウェルフェアといったキーワードに非常に敏感であり、個人消費市場においてもエコフレンドリーやトレーサビリティを重視する倫理的消費行動ethical consumingを取るため、企業側はこれらの諸課題にどのような取り組みを行っているか積極的に発信するようになった。(これは就職先選びにも当てはまる。就活生が、「貴社は性的マイノリティに関してどのような方針とビジョンをお持ちですか」なんて逆面接する時代がくるかもしれない。)

 このように消費市場はもはや経済合理性だけでは説明できないし、いかに経済合理性を突き詰めようとも、普遍的価値への配慮が伴わない企業は選ばれない。アメリカの社会問題は、企業がこうして消費者を意識したとき、市場の力学によって問題解決に向かうことが多い点で、今回の運動が広範な支持を得て企業や有名人を巻き込んだことは大きな前進と言える。消費者はこの動きを一過性のものとして終わらせるのではなく、きちんとモニターし、責任を果たさせていくことが求められる。

 

とはいえ近年パターン化しつつあるこうしたポピュリズムは憂慮する。熱狂した大衆の情報リテラシーは相当怪しく、これに企業や政治が屈することで衆愚政治に陥り二次災害を招いてきたのはフランス革命以来の歴史の常である。権威主義政権では民衆の怒りの矛先を逸らすためにスケープゴートが必要とされてしまい、誰かが血祭りに上げられてしまうだろう。ポピュリズムに迎合して判断を誤るケースは近年とみに増えていて、イギリスのスコットランド独立問題とブレグジットをめぐる茶番farceはまさにキャメロンお坊ちゃまの判断ミスだった。

 

この問題の諸相と将来を占ううえで、ポピュリズムの代表であるトランプ大統領の存在は避けては通れないように思う。

そもそもアメリカは構造的な差別に立脚して始まった国である。建国の父55人のうち13人が奴隷制大農園主であり、合衆国憲法に奴隷制反対の文言の挿入をめぐって激しい議論が交わされ結局挿入が断念された経緯がある。奴隷反対の機運が高まるなか、ラシュモア山に刻まれる初代大統領のジョージ=ワシントンも第3代大統領のトマス=ジェファーソンも奴隷を保有していた。ジェファーソンは奴隷解放に理解があったものの、黒人は能力的に劣るため、自由人になってもアメリカ社会では自力で生計を立ててゆけないと信じており、黒人をアフリカに送還することを最善の策と考えていた。実際、解放された自由黒人が怠惰と犯罪でアメリカを堕落させるとか、白人の就労機会を奪う、という風潮が高まり、これを受けて西アフリカへの植民事業が興され、結果建国されたのがリベリア共和国である。南北戦争で北部が勝利した結果奴隷制は廃止されるが、これは人道上の要請というより、資本主義の要請であった。

また、黒人問題の陰に隠れがちだが、インディアン問題も同じくらい根深い。ワシントンもジェファーソンも彼らを人間とはみなしておらず、一人残らず根絶やしにすることを使命と考えていた。この政策は歴代の政権に引き継がれ、執拗で徹底的な殲滅工作が行われ続けた。白人の入植以前は数千万人(一説には1億人以上)いたともいわれる先住民は旧世界から持ち込まれた疫病と、米英人による殺戮の結果、現在ではわずか200万人まで減らしており、アメリカの全人口の1%にも満たない。多くが居留地に押し込められ社会統合に失敗し、アルコール依存症に苦しんでいる。一方黒人は4000万人近くおり、ネイティブアメリカン問題が黒人問題に劣後してしまう現実がある。

20世紀に入って白人による合法的な黒人の分離が進められた。これに対する黒人の権利運動は50、60年代に公民権運動として組織され、この成果として制度上の平等は達成されたものの、社会構造に起因する根源的な差別は解決されることはなかった。

 

僕が中高生だったころアメリカは人種のるつぼと教わったものだが、今では人種のサラダボウルという表現に修正されている。これは人種同士共存しても文化的に混ざり合うことはないという実情を表しており、現在のアメリカの分断を予言していた。

 

2016年の大統領選では世界はヒラリー氏優勢とみて、トランプ大統領の誕生を予見できなかった。蓋を開けてみると、伝統的な価値観を重んじる、福音主義の、田舎の、ワーキングクラスの白人がトランプ氏に投票したことが注目された。

これまでまったく政治集団として認識されてこなかった、

伝統的な価値観を重んじる

福音主義の

田舎の

ワーキングクラス

という属性の白人集団について研究が進み、彼らの思考や投票行動の背景が明らかにされてきた。

 

一般に白人労働者は非常に真面目であり、かつそのことを自認しており、勤勉であることをアイデンティティの根幹に据えている。働かずに福祉に頼っている人でも、自分が働けていないのは国や社会に問題があるからで、世の中がまともであれば自分はちゃんと働いているはず、という考えをもっている。

都会の大卒エリートに対しては、黒人や移民などのマイノリティばかり気にかけて、自分たちは田舎者と蔑まれ、蔑ろにされている、という被害者意識を持っている。白人労働者はキリスト教の倫理観に支えられた道徳規範を備えており、LGBTQなどの都会のリベラルな雰囲気に対しては、伝統的家族観を愚弄する腐敗と考える。アメリカでも、性やジェンダーの多様性の承認はすっかり都会人の作法やファッションとなったが、マイノリティを受け入れる寛容を誇りと考えるこの都会的な価値観と白人労働者の伝統的倫理観は真っ向からぶつかり、都会人がアメリカを間違った方向に導いていることに不満をもつ。

黒人や移民に対しては、真面目に仕事もせずに犯罪や福祉に頼って怠惰に生きているという認識をもっており、真面目に働き納税している自分たち白人労働者がバカを見ていると考え敵意を抱く。アメリカンドリームが待つ山頂への列に行儀よく並んでいたら、突然黒人や移民が割り込んできたと考え、怒っている。日本の在日問題と似ている。

都会のエリートや政治家たちは黒人や移民のわがままばかりに耳を傾け、模範的なアメリカ人であるはずの自分たちがアメリカから疎外されているという意識を強くもっており、移民反対、男尊女卑、性的不寛容、白人優位なトランプ氏の発言には彼らの留飲がおりたことは想像に難くない。

このことから分かるのは、黒人やヒスパニックといったマイノリティ集団を定義しアファーマティブアクションを行うことは、その外側に漏れた集団(ここでは白人労働者)をかえって置き去りにしまうこと、そして、誇り高きアメリカ人自意識の強い彼らが強烈な疎外感を味わっており、それを敏感に察知したトランプ氏が言葉巧みに熱狂的な支持を集めたことである。彼らはアメリカンドリームを夢見ており、トランプ氏のような成功した実業家をカリスマとして崇める傾向がある。さらにいえば、性的マイノリティの承認に代表される、都会人が進めるアメリカのリベラル化は福音主義の逆鱗に触れるものであり、トランプ氏はこの宗教感情もうまく利用した。

トランプ陣営のMake America Great Againは古き良き伝統的なアメリカの復活を思わせ、白人労働者を熱狂させた。長年黒人の動員に心を砕いてきた民主党の政治家たちには、この声なき白人労働者たちの心の機微が分からなかった。

 

白人労働者の逆襲は黒人や貧困層を票田とする民主党政権のアイデンティティポリティクスの帰結である。アイデンティティポリティクスが進められるなかで、アイデンティカルな集団として括られることのなかった白人労働者は、黒人や移民のご機嫌ばかりが気にされて、自分たちに与えられるはずだった仕事や福祉、ひいてはアメリカ人の尊厳が奪われていると感じ、鬱憤を積もらせ、また黒人や移民への憎悪を積もらせていった。

アメリカは分断されており人種間の溝は深い。トランプ氏が分断したかのように言われているが、元々統合などされておらず、民主党が深めた亀裂をトランプ氏が利用したというのが正しい。白人労働者の声なき声をすくい上げたところにトランプ氏の慧眼があった。ポリコレ疲れでみんな息苦しかったのだ。

 

今世界は右傾化している。これはアメリカだけの問題ではない。シリア内戦の難民問題がEUの屋台骨を揺るがし、各国で移民排斥を訴える極右政党を躍進させ、イギリスでは国民投票でEU脱退が決まった。EUは2016年にトルコに対して、難民収容の費用をEUが負担する代わりに、ヨーロッパへの難民の流入を止めるように取引をしたが、煮え切らないEUの態度によりシリア内戦が解決に向かわないことにしびれを切らしたエルドアン大統領は再びギリシャ、ブルガリアへの国境を開放し、難民をバスで国境まで移送しEUに圧力をかけ始めた。EUは難民の流入を断固拒否するだろう。

世の中は一見リベラルに向かっているが政治は確実に不寛容に向かっている。リベラルに向かっているように見えるのは、声を挙げる一部の言動が目立っているだけで、声を挙げない大多数は無関心であるか同調していないのかもしれない。日本の学生運動もそうだったように、今回の運動も必要以上に暴力化したことで支持を失い、多くは冷ややかな目で見ているのかもしれない。見える部分だけ見ていては世の中の趨勢を見失う、民主党のように。

 

アメリカでデモが起きているのは黒人や移民が集中する都市部とリベラルな沿岸都市部に過ぎない。反差別陣営が主流派で誰もが同情していると考えるのは拙速である。そういう社会であれば差別問題などとうの昔に解決している。黒人より人口の多い白人労働者階級は当然運動に合流しない。むしろ再び黒人や移民が脚光を浴びて自分たちの取り分が横取りされていきそうな雲行きに不快感を抱いているだろう。トランプ大統領は愛すべき彼らへのポーズを忘れてはいない。Black Lives Matterのデモ隊を実力で排除してまで近所の教会に出向き、教会前で聖書片手に写真を撮らせている。トランプ氏が再選されようが落選しようが、この分断は解決されない。

 

今回の加害警官を責めることにはあまり意味がない。黒人差別はアメリカの刑事司法制度に染み付いた汚点であり、それを身体に刷り込まれた警官も被害者なのかもしれない。復讐は分断を深めるだけだし、罪を憎んで人を憎まず、でないと物事は前進しない。そして運動はサティーヤグラハであって欲しい。

 

イギリスにもこの分断は存在する。イギリスは都市を一歩出れば白人至上主義社会である。サンザシの生け垣に縁取られたなだらかにうねるパッチワークの丘陵というイギリスの原風景が広がる南イングランドのカントリーサイドは、ブレグジットを断固支持した保守派の牙城である。東欧や南欧の経済後進地域のしわ寄せをイギリスが被ることに反感があり、またEUからの労働者の無制限の流入や難民の受け入れでイギリス人の仕事や福祉が侵奪されているという憤懣があった。もちろんこれは大英帝国の矜恃と憧憬とは無関係ではない。自由貿易の信奉者であったイギリスはかつて自由貿易連合EFTAを結成してブロック主義的なECを潰しにかかった歴史をもつ。ECに加盟しても国境管理や通貨への主権を譲渡することには頑強に抵抗し、シェンゲン協定や共通通貨政策には乗らず、常に欧州統合には懐疑的な態度を取り続けていた。ストラスブールの欧州議会に筋金入りの保守であるケントで議席を有した極右政党UKIPの党首ナイジェルファラージュが送り込まれていたことはイギリスのEUへの喧嘩腰の態度をよく物語っている。

イギリス育ちの闘う日本人ポップ歌手のR.S.さんは、優秀であったがゆえにイギリス人の不興を買い、white supremacyの権化みたいな場所であるケンブリッジ大学で壮絶ないじめに遭った。この経験が差別を痛烈に批判する彼女の表現者としてのアイデンティティの根幹をなしている。彼女は個人的な友人で、尊敬し応援している。

 

イギリスでもデモが行われている。

今日まで続くイギリスのヘゲモニーは奴隷貿易による莫大な資本の本源的蓄積の賜物であることは、我々日本人は高校で詳細に習うが、イギリス人にはほとんど知られていない。勝てば官軍の世界で、イギリスは自国の恥ずかしい歴史を中高の教育課程から周到に排除しており、イギリス人は恐ろしいほど無垢に、世界を救い導いた大英帝国の神話を信じさせられている。シンガポール出張から戻ったイギリス人同僚が、山ほど歴史の本を買ってきて、興奮して言った言葉が物語る。「知らなかったことが多すぎて驚いた。私たちはイギリスの恥ずかしい歴史について何も教えられておらず、自分が恥ずかしい」今世界で起こっている紛争のほとんどはイギリスに原因があり、歴史を振り返るとおぞましいほどに罪深い。それでも植民地を玉虫色のコモンウェルスに仕立て上げ、世界の誰からも嫌われず、嫌われ役は器用にアメリカに押し付けて、サンドハーストとオックスブリッジの権威&誰もが憧れるポップカルチャーを宣伝隊長に、みんなに愛される憧れのイギリスのイメージと誰も表立って批判できない空気を作り出すことに成功している。この国のしたたかさと狡猾さには脱帽する。

 

カントリーサイドの保守本流がこの反差別運動に積極的に参加しているとはとても思えない。差別是正の試みは常に、相対的に優遇されてきた方の集団からの反発を惹起する。移民やマイノリティの優遇によって自分たちの権利が脅かされると考える構図はアメリカでもイギリスでも日本でも変わらない。人類の平等という普遍的価値には賛同するが、それが自分の問題となると人々は態度を硬化させる。総論賛成、各論反対なのだ。以前隣に王室にもごく近いプロのカメラマンが住んでいてよく食事に招かれた。彼は自分たちの税金が手厚い難民の支援に費やされ、奴らは一族郎党を呼び寄せて、ウサギのように子どもを増やし、イギリスを骨までしゃぶる、自分たち土着のイギリス人が疎外されていると怒りを露わにして憚らなかった。こういう感情は保守本流にはごく一般的だ。

 

これを機会にイギリスの歴史についても学ぶきっかけになればいいと思う。イギリスの歴史は内政における議会制民主主義の歩みも、外交における諜報活動も桁外れに卓越していて抜群に面白い。この国には敵いっこないと思わされるし、おまけに僕のようなイギリス嫌いがひとり仕上がると思う。

 

今イギリスにいる人は差別にかんして、日本では感じえない臨場感を感じていることと思う。日本は性的マイノリティ、人種差別、労働者福祉といった課題はすべてこちらの50年遅れであり、今やっと課題の存在に気が付いたようなありさまで、こうした課題を指摘するだけで海外かぶれのレッテルを貼られてしまうのが現状だと思う。しかし日本はこれから急速に観光客や労働力として外国人を招き入れていくことになり、こうした文化的な軋轢が非常に短期間に頻発し、準備不足の領域では外国人拒否反応が出ることが予想できる。海外組は率先垂範してこの橋渡しを努めていくことが求められる。コロナ禍で留学生へのケア問題が噴出しているが世の中の反応は冷ややかで本当に情けない。日本でも移民労働者の地位向上には頑強な抵抗があることは疑いない。

自身の被差別経験や今回のデモ運動などから学びが多いと思う。眼をそむけたくなるような悲惨な現実でもあるけれど、乗り越えて、帰国してからも共感の輪を広げていってほしい。

 

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猫の手も借りたいくらい忙しい

と言ったら、すぐ駆けつけるうちの猫氏。



先日オンラインセミナーで講師に招聘されて登壇したところ、好評であっという間に第二弾と第三弾が決まりました。

こういうセミナーでは、業界一筋数十年の経営者が聴講して、業界の重鎮や専門家が登壇するのが当然の慣いですから、
うちのようなスタートアップの、
しかも僕のような3年目のペーペーにお鉢が回ってくるのは異例中の異例の椿事です。

主催者としては、人の流動性が減少したことで情報の伝播が鈍り多くの経営者が情報を渇望しているのと、
多くの会社でお偉方が暇を持て余している、ということから初となるオンラインセミナーの開催を模索したけれど、適当な講師がいなくて困ったようです。

うちの会社はコロナショックのような急激な社会変動の業界的な影響を定点観測でリアルタイムにモニターできる、恐らく世界で唯一の企業で、
僕が手元のデータをいじくってちょっと変わった切り口から分析してあちこちに配布していたところ、講師にどうか、と白羽の矢が立ったらしいです。

お話を持ちかけてくれたのは以前から仲の良かった主催企業(超名門企業です)の同じく若手ペーペーで、二人で企画を練って先方で上奏してもらいました。

撒き散らしてきた種が、困難に負けずに芽を出したと思うと大変感慨深いです。スタートアップの営業なんて100件あたって1件反応があるかどうかの世界。
普段は面通しも叶わないようなお偉方も聴講されていれば、顔を売る千載一遇の機会ですし、セミナー詳細はメディアにも掲載され露出につながりました。

先ほどの彼がこのプロジェクトリーダーに抜擢され、会社初のオンラインセミナーを無事に成功させたことで、彼の実績にもなったはず。

これはコロナショックがなければ実現しえなかったことで、これぞ糾える縄、またはsilver liningを実感します。

当初はインターネット接続への不安から、スクリプトか録音を配信することを検討していたようですが、打ち合わせを重ねた結果、やはりリアルタイムのビデオ会議システムで、「表情や話ぶりも含めて、お人柄が伝わるような場にしたい」と言ってくれたことがとても嬉しかったです。


下準備は大変でした。
第1回目から躓けないので、接続確認や環境整備のために、特別に出社の許可を得て4回歩いて出社しました。

それから、データというのはいじってみないことには有意義な結果が出るか分からないので、膨大なデータセットを一晩アルゴリズムにかけてアウトプットしたりするのですが、
営業要員が引き出せるデータには制限があったり、サーバの処理能力の割り当ての確保が進まず思うように分析が進まなかったりと、社内営業が大変でした。
(営業が勝手にデータ抜いて売ったりできないように、こういう制限がある会社が多いと思います。)

ぎりぎりまで粘って、前日は徹夜でした。
この感じ、大学の試験以来笑

終わったあとは電池が切れて、翌朝まで17時間(!)寝ました。


専門というのは経験と知性に裏打ちされて滲み出てくるものですから、経験の差は如何ともしがたいのですが、
他にないデータが手元にあって、社会科学の基本的な教養と数学の素養があれば、そこそこ面白く話を組み立てるのは難しいことではありません。


自分はかねてからプラクティカルよりもアカデミックだという自覚があって、今やっているような、営利企業でお金を稼いでくる営業は全く向いていないと思っています。
お客さんのためにどこまでもやってあげてよかったサービス業出身ということもあり、利益とコストの感覚がないので、金勘定や経営に全く向いてないです。


今回は営業ではなく講師という立場で、学究的な切り口でよかったので、非常にうまくハマりました。
経験の不足分を話の面白さでカバーできたことが続編への要望につながったのも、ストーリーテラーとしての手応えを感じます。


普段の営業では教養を披瀝することはありませんから、こんな形で学生時代の教育が助けになるとは思いもしませんでした。改めてリベラルアーツの教育的バックグラウンドの強さを感じます。

経営者や投資家は国際関係や地政学的なマクロな話題から、ミクロの経済指標まで幅広く関心を持つひとかどの教養人が多く、知的好奇心も大変強いですから、国際政治の豊富な引き出しをもつ法学部のバックグラウンドは非常に役にたちました。

それから数字を扱うスキル。文系的な定性的、記述的な分析を、数字を通して定量的に裏づけができるか、あるいはその逆で、観察された数字の変化の原因を実社会に見出し、プラクティカルな予測に還元していけるか。
多分MBAとかに行くとこういうことやるんでしょうね。楽しそう。

文系理系を分けるのは日本くらいですが、いよいよこの教育システムが時代遅れになります。(東大京大は大昔から文系も二次試験で数学必須でしたし、早稲田の政経も数学必須になりました。)


学生のころ、「先生、微積って将来なんの役に立つんですか?」という質問に、
「微積もできない君が将来なんの役に立つんですか」と先生が返したというネタがあって、じわじわきます笑


ひと昔前までは営業を行う総合職は、コミュニケーション能力があればよくて文系学生の受け皿という感じでしたが、
今ではBIやKPIも含めて営業現場にも数学が必須となっていますし、絵画とか音楽、文学といった人文学の領域にもコンピュータ解析が日進月歩で入ってきてるので、数学に暗い人材は本当に何の役にも立たなくなる時代がすぐそこまで来ていると感じます。
(源氏物語の宇治十帖が別人の手になることが計量分析から指摘されてきたことは有名な話)

今やビジネス現場では、英語ができるのは当たり前になり、できないことがマイナスになったように、次は数学でそれが起こるはずです。

より高度なことができるデータサイエンティストの需要は爆発し、変態(いい意味で)と思われてきた数学科の学生が引っ張りだこになり、薬剤師以上に市場価値が高騰する時代がきっとくるでしょう。狙うならデータサイエンティストですね。


学問というものは人間が知覚できる単位まで便宜的に「知の総体」を切り分けたもの。まず社会科学、人文科学、自然科学の別があり、さらに社会科学なら法学、政治学、経済学というように細かくなっていきますが、本来「知」の本質は当然分節することができないものであり、従って各学問も有機的な繋がりを失ってはいけないはずです。scienceの原義は切り分けたもの、であり学問の本質を表しています。
(例えば、官僚的発想で法と政治を一緒に学ぶのが東大や法政、経済活動と規制の観点から経済と政治をセットに見るのが早稲田で、セットを作るだけで無数の視点が生まれる。前者は政治を統治機構と捉えその運用根拠となる法の在り方を問うていく、後者は政治を自由な活動への規制主体と捉えこの力学関係のなかで経済活動の在り方を繙く)


専門を志すものの態度としては、分野の垣根を超えて、常に他のscienceとの学際的なダイナミズムを意識し、知の総体という宇宙に還ることを使命とすべきだと考えます。

ビジネス現場でも同じことで、あらゆる方面に教養とスキルを身につけ、これらを綜合して、自らの言葉で自身や仕事を語ることで、ひとりのビジネスパーソンが形作られていくはずです。

とくにこちらでは神話や聖書、シェークスピアなどの文学的教養、それから、芸術や音楽、食やワインへの造詣、旅行やホリデーのセンスなどが有機的に重合して、魅力と個性のある文化人やカリスマを作り出します。

さらに言えば自分が門外漢の分野であっても、パーティの席上などで、初対面の相手がつい語りたくなるような気の利いた質問ができるかどうかが人物の評価を大きく左右し、これも土台となる教養の力に依るところが大きいと言えます。



知れば知るほど疑問が出てくるため、好奇心は加速度的に強くなっていきます。一方で知ることは、自分の無知を再確認し続けることでもあり、これは苦しいことで、ときに知ることに背を向けたくなります。

それでもやっぱり我々は知ることをやめてはいけないんだと思います。これは人間の本性の深い部分に関わる問題で、我々の本能に原始的にプログラムされている好奇心の回路を回し続けることで、精神的に満たされるという心のメカニズムがあるような気がするのです。

一時期あらゆる情報をシャットアウトしたことがありますが、情報のもつ毒に侵されてでもこれを取り入れていく、そしてその毒素を分解できる酵素を身につけることが、健全なことなのだと身をもって感じました。


今回のオンラインセミナーでの経験は、土台の教養や視点の転換が、専門性や経験で劣後した分を補えること、それから、自分にもまだまだ貯金があること、そして自分はつくづく学級肌だということを確認する優れた機会になりました。
この業界に残りたいかはまだ分かりません。


まだ第二弾、第三弾が控えしばらく忙しい日々が続きますが、夏山に向けての体づくりの一環での走り込みと、日曜のオンラインコンサート、毎日のお料理はきちんと続けていきます。

というかこのまま旅行とご飯のブログに切り換えようかな!




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鋼琴が熱いうちに弾いておきたいの

まだ熱が続いたので、録っておいた。
今だから弾いておきたいシリーズ。
世の中美しい音楽が多すぎる。


癒し版


今だから弾いておきたかった
We are the world for Covidみたいなのやるみたいですね


これも今の願い


ミュージカル界の重鎮ロイド=ウェーバー卿の最高傑作
つい最近ご本人が演奏と世界へのメッセージをアップしていて胸熱だったので


日本版では保坂さんが歌う、メンケンディズニーの大名曲
インドでハリジャンたちの支援をしている友人の緊急支援要請で2家族が1ヶ月生きていけるだけの募金をした。この曲を弾かずにはいられなくなった


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続UKおうちごはん向上委員会

これは、
ごはんに妥協しない、
エンゲル係数高めな僕が、
8年の海外自炊生活で培った、
簡単but絶品ご飯を勝手に紹介する、
多分誰も見ない、お料理のコーナーです。

本当に手抜きアイデアから、日本じゃ手が出ない海外ならではの食材の贅沢遣いや、貧乏海外生活だからこそちょっと頑張っても作りたい幸せな一品料理まで。



日本は外食やお惣菜が安く充実しているので自分で作るメリットの少ないお料理も、海外では予算オーバー。この不便さを逆手にとれば、なんでも自分で作れるようになるチャンス!


11、普通のお鍋でもとろとろ!豚の角煮 1日

豚バラブロックはこちらではお安いお肉なのにきちんと調理すれば絶品になるブルーチップ食材。角煮は圧力鍋や炊飯器で作るのが定着していますが、普通のお鍋でも作れます。時間はかかりますが、その分じっくり調理するのでよりおいしく作れる気がします。
炊飯器も圧力鍋も持っていないので、この8年間お米も鍋炊きしてきました。
ちなみに今日まで手元にある自分の調理器具は柳刃包丁、砥石、おろし金、ざるとボウル、菜箸、かす揚げ、木べら、缶切り、Victorinoxのトマトナイフ。絞り込まれた精鋭たちです。あとは備え付けのもので概ね間に合わせられてきました。なくて困ったのは卵焼き用の四角いフライパンくらい笑

時間がかかるので、一度にたくさん作ってしまいましょう。冷凍もできます。

豚バラpork belly

お砂糖
お醤油

みりん(なくてもよいが照りが出る)
しょうが

お好みでゆで卵、Pak ChoiやSpinachなどの彩野菜


①豚バラを塩と砂糖を溶かした水に漬け込む。水に浸けず表面に塗り込むのでも良い。

②豚バラを下ゆでする。吹かないように中火で加熱し、煮立ちだしたら弱火におとし、1時間半ほど煮込む。火加減は水が対流する程度のごく弱火で、吹かないように気をつける。水分が減ってくると同じ火加減でも沸騰しやすくなるので、十分気をつける。

③火から下ろし、粗熱を取り、冷蔵庫で冷ます。

④表面に白く凝固した油を取り去る。これは良質のラードになり、炒め物に役立つので取っておく。

水分が鍋の底までぷるっぷるのコラーゲンになるけど、圧力鍋だとならない気がする。

⑤酒、お醤油、みりん、お砂糖、しょうがを入れ、一煮立ちさせたら弱火に落とし、1時間ほど煮込む。

⑥火から下ろし、粗熱が取れたら冷蔵庫に入れ、一晩寝かす。味は冷えるときに染み込む。

スペース取らないようにタッパーに移しました。飯友が角煮プールと呼んでいます笑

一品料理として出しても、つゆだく角煮丼にしても絶品。



12、もう一品欲しい時の強い味方!お野菜のオーブンロースト 10分

ちょいちょい他のお料理の後ろに登場していますが、何も副菜の作り置きがないときにパパッと作れるおすすめの一品。下準備したらあとはオーブンに入れるだけで、他のお料理している間に出来上がり。


もちろんメインプレートとしてもいただけます。

ブッラータチーズとロースト野菜の相性は抜群!アスパラガス、ステムテンダーブロッコリー、チェリートマト、ヘーゼルナッツのローストと、ガーリックトーストで大人の休日満足ブランチプレートの完成。
ブッラータは日本ではなんかお洒落高級食材の最高峰みたいな扱いですが、こちらではTescoのチーズコーナーに当たり前の顔していますので是非!


お野菜とにんにくスライスをオリーブオイルで満遍なくコーティングしてフレークソルトをまぶして200度に温めておいたオーブンで数分ローストするだけ。
ステムテンダーブロッコリーとアスパラガスが大好きですが、エシャロットやチェリートマトも甘味が出てとてもおいしいです。
唐辛子、バルサミコ酢などお好みで入れてみてください。

こっちのアスパラガスは立派!お野菜ごとに火が通るのにかかる時間が異なるので、先に分けます。

ステムテンダーブロッコリーは割とあっという間に火が通ります。この2野菜は鉄板!

フレークソルトにはアイスランドで買ってきた溶岩塩とワイルドベリーソルトを使いました。


イギリスはどこのおうちでもオーブンだけはあると思うので、うまく活用して楽しいローストライフをどうぞ。


13、使い道いろいろ!焼きナスの万能ペースト 30分

続いてもオーブン調理です。
レバンタールを感じるナスのペースト。元々ナス大好きなんですが、レバント、マグレブを旅行してナスのペーストに出会い惚れ込みました。日本のナスはアクが強くて美味しくできない気がするので、これもこっちならではのお料理だと思います。

本当は直火で焼くのですが、イギリスではガスコンロでないおうちも多いと思うので、オーブンで作ります。ちなみにうちはパパンがシェフなので当然ガスで、僕もお家選びではガス台は必須条件。


①1箇所フォークで穴を開けて、250度に余熱したオーブンで10-15分焼く。皮がしわっしわになってやや焦げ目がつけばOK。穴を開けておかないと爆発するが、爆発するまで焼くというのでもOK。

②オーブンから取り出し、耐熱ボウルに入れてラップをするか紙袋に入れて、蒸らしながら冷ます。

③手で触れるくらいになったら皮を剥き、中身をフォークの背などでペースト状になるまで潰す。水分が多すぎると思えば絞る。

冷ましてお好みのアレンジでいただきます。

使い方1
基本の味付けは、塩、オリーブオイル、レモン汁。
このままピタパンや野菜スティック、ドリトスにつけて食べてもおいしい。トルコ、ギリシャ、レバノン、モロッコなど地中海全域で食べられている。

使い方2
レバノンやトルコでは1にプラスでにんにくのすり下ろしとタヒーニを混ぜる。

使い方3
同じくレバノンやトルコではヨーグルトを混ぜるパターンもある。

使い方4
フランスではアンチョビを混ぜてマリネ風にする。

使い方5
モロッコでは1にプラス、ペースト状にしたトマトとコリアンダー、にんにくを混ぜていただく。



14、前菜にも主菜にも!モロッコ風ナスとトマトのディップ

上の5に玉ねぎを入れてボリュームと味のパンチを出したアレンジで、主菜としてもいただけるようになっています。

皮を剥がずに中身をくり抜いて容器として使うと華やかなおもてなし前菜になります。

ナスペースト
トマト(トマト缶でもOK)
玉ねぎ
にんにく
コリアンダー(イタリアンパセリでもOK)
オリーブオイル

レモン汁
パプリカ、カイエンペッパーなど


①オリーブオイルでにんにくに火を通し香りを移し、細かく刻んだ玉ねぎを中弱火でじっくり炒める。コリアンダーを加えさらに炒める。

②トマト缶かダイス状に刻んだトマトを加え、ペースト状になるまで炒める。

③ナスのペーストを入れよく馴染ませ、オリーブオイル、塩、レモン汁、香辛料で味を整える。

もちろん冷ましてもおいしいですよ。



15、甘みがぎゅっと凝縮!焼きパプリカとアンチョビのマリネ 30分

パプリカは焼くととろとろの食感になり、甘みや旨味が凝縮して大変おいしくなります。そのままサラダなどに入れてもいいですし、アンチョビとマリネにすれば前菜にもお酒のお供にも。

パプリカ
アンチョビ缶詰
レモン汁(お酢などでもよい)
オリーブオイル

①200度に予熱したオーブンで20分ほど焼き、しわしわになり焦げ付いてきたら取り出して、ボウルに移しラップをして蒸らす。

②手で触れるくらいになったら皮を剥がし、適当な大きさに切り分ける。このとき中から熱々のジュースが出てくることがあるので火傷に注意。このジュースはドレッシングやソースに使える。

③アンチョビを細く切りパプリカと一緒にオリーブオイルとレモン汁でマリネする。

白ワインによく合います。



16、梨ドレッシングでいただくゴートチーズの休日ブランチサラダ 20分

見覚えあるやつです。好きでよく旅行先で食べてて何度も登場してるやつですね笑
チーズがしょっぱいので、蜂蜜を回しかけたり、ドライフルーツを添えたり、甘くフルーティなドレッシングを使うことが多いです。今回は梨のドレッシングでいただきます。日本じゃ梨は高くてとてもソースには使えないので、これもこちらならではですね。
ゴートチーズも日本では馴染みの薄い食材では。苦手な方はカマンベールでもOK。

ゴートチーズは250度に余熱したオーブンで表面が色づくまで焼きます。
ドレッシングは梨をすり下ろしたジュースを使います。繊維は絞って捨てても、残してもOK。残す場合はすった側から変色するのですぐにレモン汁を混ぜます。
梨のシャキシャキの食感が面白いので、少しダイス状にカットしてサラダに加えましょう。

ゴートチーズ
お好みのサラダ野菜
シード、ナッツ、ドライフルーツなど

洋梨
オリーブオイル
レモン汁
お砂糖(蜂蜜、メープル)


日本にはオーブントースターというすごい発明品があるのでチーズ焼いたり、ナッツローストしたり、ちょっと使いたいとき便利でいいですよね。うちはコンロはガスですがオーブンは電気なので立ち上がりの余熱には時間がかかります。



17、リピ決定♪白ワイン香るチキングラタン 45分

僕の得意料理はなんですか、と僕の友人に聞いたら多分最も多い答えがこれ。人生で最も多くの人に振る舞い僕の代名詞にもなったお料理で、持ち寄りやリクエストで何回作ったか分からない一皿。得意であることは否定しない笑
グラタンはオーブン料理の定番なのでご紹介しておきます。

ポイントは(多分)、
・鶏ももと玉ねぎ(エビとかポテトじゃない)
・白ワインを大量に投入する
・ベシャメルソースはきちんと作る
ことでしょうか。これだけでなぜかめちゃくちゃ美味しく作れます。

鶏もも肉は骨を剥がすのが面倒なので買ったときに気合いれてまとめて剥がして1枚ずつ冷凍しておくと便利。
骨と余分な皮も鶏ガラを取るのにめちゃめちゃ使えるのでまとめて冷凍がおすすめ。

鶏もも
玉ねぎ
にんにく
オリーブオイル
白ワイン

お砂糖

ペンネ
ベシャメルソース(バター、小麦粉、豆乳(牛乳))
チェッダー、粉チーズ、パン粉

①オリーブオイルでにんにくを炒め香りを移し、玉ねぎが炒める。ややしんなりしてきたら鶏肉を加える。

②鶏肉に8部通り火が通ったら、白ワインをじゃぶじゃぶ投入し強火でアルコールだけ飛ばす。塩とお砂糖で味を整え、フライパンから取り出しておく。すでにこの時点でめちゃくちゃおいしい一品料理になっている笑

③ベシャメルソースを作る。フライパンにバターを溶かし、小麦粉を炒めふつふつしてきたら火から下ろし、豆乳を注ぎダマがなくなるようヘラなどを使いよく馴染ませる。

④ダマがなくなったら、混ぜながらゆっくり加熱して好みの粘り気が出たところで、②と、別にゆでたペンネを加えよく混ぜる。②にはチキンエキスの加わった超絶おいしい白ワインソースがたっぷり入っているので水分が加わることを踏まえておく。

⑤耐熱皿に移し、チェッダー、粉チーズ、パン粉をのせて250度に熱したオーブンで焦げ目がつくまで焼く。5分くらい。

パン粉は食パンをブレンダーなどで砕くか、乾燥または冷凍させておろし金で擦って冷凍しておくと便利。


ちなみにグラタンはそのままで食べられる食材の表面だけを焼き焦がす料理法で、料理名としての日本のグラタンは全く通じないので注意。これはpasta bakeが一番よく通じる。
なおイギリスではカリフラワーにベシャメル+チーズのソースをかけてオーブンで焼く(焼かないこともある)cauliflower cheeseなるものがよく食べられています。



18、耐熱容器がなくても大丈夫!バターナッツかぼちゃの丸ごとグラタン 50分

バターナッツスクウォッシュは煮物には不向きですが、スープやソースには向いています。イギリス人のレパートリーではスープがほとんどのようですが、繊維が少ないのでグラタンもおすすめです。

中身をくり抜いて容器として使うので適当な耐熱容器がなくても大丈夫。種の周りの部分は天ぷらやグリル用に冷凍してとっておくので、実質4分の1コ分くらい。
例によって豆乳を使ってベシャメルソースを作ります。ベシャメルソースは慣れればさくっと作れて使い道いろいろなのでマスターしちゃいましょう。


バターナッツスクウォッシュ
玉ねぎ

ベシャメルソース
チェッダー、粉チーズ、パン粉

①切り分けたかぼちゃをラップでくるみ、レンジで柔らかくなるまで加熱する。5分以上はかかる。火傷に気をつけながら、中身を丁寧にくり抜く。

②くり抜いた中身は耐熱容器に入れてさらに柔らかくなるまで加熱し、フォークの背などでペースト状になるまで潰す。

③細かく刻んだ玉ねぎを中弱火でじっくり炒め、取り出しておく。

④ベシャメルソースを作る。

⑤④にかぼちゃペーストを投入しよく混ぜ、塩で味を整える。甘さが足りなければお砂糖を足してもよい。

⑥玉ねぎも混ぜ、器に移しチェッダー、粉チーズ、パン粉をかけて、250度に余熱したオーブンでチーズが溶け焦げ目がつくまで焼く。5分くらい。

当然量が増えるのであえて少なく作って、残ったかぼちゃペーストは裏ごしして冷凍しておくのもよい。凍ったまま温めた牛乳にバター、塩とともに投入すれば即席かぼちゃポタージュ。

多かった分はココットに入れてランチにしました。



19、濃厚な甘さのバターナッツかぼちゃのポタージュ

豆乳とバターナッツスクウォッシュを使ってスープにします。
バターナッツスクウォッシュは一個が大きいので、使いきれない場合はペースト状にして裏ごしまでして冷凍しておくと後で便利。

①バターナッツスクウォッシュを熱が通りやすいよう小さく切り分け、耐熱皿に入れてラップをして5分ほど加熱する。耐熱皿がなければゆでても良い。

②①をフォークの背などでペースト状になるまで潰す。水分が多いので布巾などで絞るか、鍋に移し弱火にかけて水分を飛ばす。

③ざるなどで裏ごしする。またはブレンダーでもよい。

④鍋に沸騰させないように豆乳を温め、③を投入し馴染ませ、塩で味を整える。生クリームだと濃厚になるが、豆乳をゆっくり煮詰めから使っても濃厚になる。


かぼちゃ、まだ残っていて冷凍庫にいるので、そのうちまた登場します。



20、おうち居酒屋超人気メニュー!揚げ出しカプレーゼ 20分

今回も最後はおうち居酒屋開店です笑
アボカドの和風カプレーゼに続き、在外邦人の呑兵衛たちの心を掴んで離さないのがこのトマトとモッツァレラの揚げ出し豆腐風。
モッツァレラがまだ冷蔵庫にいましたがこれにて食べ納めです。

チェリートマト
モッツァレラ
片栗粉


だしの素

お醤油
みりん

片栗粉はpotato flourとしてそこらへんで売っています。


①湯むきしたトマトと一口大にカットしたモッツァレラに片栗粉をまぶして180度くらいでさっと揚げる。チーズが溶け出すので、沈んで浮いてきたら手早く引き上げる。

②だし汁の材料を小鍋に入れて一煮立ちさせたら、熱々のうちに盛り付けた①に満遍なくかける。

お好みでおろししょうが、大根mouliおろし、鰹節、小口ネギなどをトッピングして召し上がれ。冷めるととろとろのモッツァレラが固くなるので熱いうちにどうぞ。



今回はオーブン多用でした。お野菜をローストするだけでも超おいしいので、これだけでもやってみて欲しい!

最後に揚げ物投入しましたが、次回からは本格的に揚げ物も取り上げて、食資源の限られた海外生活のレパートリーを増やして楽しい節約自炊ライフを目指す人を勝手に応援します。




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気まぐれ録音2年ぶり

久しぶりに一気に録ったー!
一発か二発録りでよかったやつ。7曲やってとりあえずまあまあの4曲。3曲は没。疲れた。(毎週のオンラインコンサートはクラシックなので無関係)
早くストリートでライブしたい、、、


メンケンディズニー1の名曲だと思っている。ダントツ1番好きで去年いとこの結婚式で弾いたver

ネバーエンディングストーリー!!!

Les MiserablesからI dreamed a dream

リクエストでSiaのChandelier


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空白の時間が平等に与えられている件

封鎖生活も早5週間、

生活をルーティン化して、心身のバランスを取りながら暮らしています。

 

元々、引きこもり属性のある僕としては、規則正しい生活と強固なルーティンが心の支えです。一番の精神安定剤。

 

 

毎朝エスプレッソメーカーで淹れたヘーゼルナッツフレーバーのコーヒーアロマで目を覚ますのが好き。

定時の後ランニングしながら冷蔵庫の中身を思い出して、今晩の献立を考えているときが好き。

毎週のコンサートに向けて毎日ピアノを練習するのが好き。

 

こういう’’好き’’を集めてルーティンを組んで、傍目には変化のない繰り返しの日常を送っています。簡単に落ち込んでしまう自分を、落ち込ませないよう先回り。

 

 

特に居候している身なので、毎日同じ時間に同じ行動を取る=予測可能性を高めてあげることで、キッチンやバスルームがかち合うことを減らし、お互いのストレスを減らせるメリットもあります。

夫婦や家族でも、先行きの不安、一日中一緒にいるストレスでぎくしゃくしがちな時期だけに、居候さんは気配りが命綱。共同生活8年目のプロ居候なので、これは幸い苦になりません。

 

========

 

当初は誰もが緊急避難という感じで、不便さに甘んじていたけれど、

これが長引くというのが暗黙の了解となるにしたがって、封鎖生活のなかでもQOLを諦めない取り組みが、僕の周りでも広がっているのを感じます。

 

外に向かって動けないなら、内側を磨いておく絶好の機会というのは仕事でもプライベートでも同じで、

この機会に、後回しにされてきた無駄の洗い直し、手続きの見直し、組織再編など生まれ変わりに着手している取引先の会社は多いです。

やった仕事の対価にお給料をいただく以上はどんな状況でも何らかの仕事を自分で考えて生み出さないといけないのだから、外に仕事がなければ自然と内のことに手を付けていくことになるでしょう。

 

うちもここへきて貯金が減ってビジネスサイクルが冗長化してきたので仕事量自体は減ってきました。

それでも給与泥棒になりたくないので、僕も工夫してフルタイムの仕事量の確保に努めています。

 

プライベートでも同じで、外にアクションを起こせない今は、自分磨きに時間と努力を投資する種の時期。

思い通りにいかないことに腐らずに、立ち止まって自分を見つめ直す機会と捉えたり、

新たな趣味や勉強に取り組んでみたり、正常に戻った時に+αを持ってスムーズに動き出せるように準備をしておきたいところ。

 

コロナにかかわらず、何をやっても不思議なくらいうまくいかなくて、内に籠るしかない種の時期は人生で必ずやってくる。

正直かなりつらい。でも今はひとりじゃない。前に進めないで苦しいのは自分だけじゃないのは救い。

 

せっかくまとまった時間があるのに何もしないことにかえってストレスを感じてしまう性なので、フルタイム引きこもりの業務量もきちんと確保。

 

仕事先や同僚と電話していると、spare timeは家で何やってますか?って雑談になることが多くて、こっちではみんな何かやっているのが割と前提のよう。

 一方日本人は、さあどうぞ無期限の自由時間です、と言われるとかえって有意義に過ごせない不器用なお国柄がよく出ていて、普段からのホリデー文化の違いを見ます。

日本人は適度に忙しい方が、時間を効率よく使える人が多いのかも。

 

========

 

こちらでは危機が深い分、それだけ人々の価値観やワーク&ライフスタイルにドラスティックなパラダイムシフトが起こる予感があります。

仕事の世界ではすでに多くの地殻変動が起こっていて、絶対に無理と言われていた変革が次々と、いとも簡単にできてしまうのを目の当たりにして、

こういう悲劇や混乱のときにしか社会や仕事のやり方は変わらないし、逆に今は変えるチャンスなんだと感じます。

 

人だってそうで、何もないときは変わりづらくて、死別や失恋のような強いストレスを伴うイベントのなかでこそ生まれ変わり、成長していく。

 

環境を変えたくらいじゃ人の中身は案外変わらないもので、ワーホリに来ようが、どこかで歯を食いしばって自分を追い込んだ人以外は、来た時とあまり変わらないまま帰っていく。

 

 

今これだけみんなに平等にブレーキがかかっているなかで、まだコロナを呪い、コロナを言い訳にして何もしない人たちは、多分社会が平常に復帰したところで、何もしないのでしょうし、

コロナのない2年間をやり直せたとしても、結局何もしないんだと思う。

来たくて来たのに予定が狂ったくらいで立て直せなくなる程度の覚悟なら、この国はそんなに甘くないぞ。

 

何のために来たのか、どうなって帰りたいのか、今一度考えてみたい今日この頃。

ちなみになんとなくワーホリさんだった僕は、速攻で帰国してるはず。イギリスでどうしてもやりたいことがあって来たわけじゃなかったので。

帰った方が大勢いる中でどんな判断であれ今回イギリスに残ることにしたのなら、平常化してすぐ動けるように今が踏ん張り時のはず。がんばって欲しい。

 

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よくも悪くもこの空白の時間はみなに平等に与えられています。

この空白に何を描くのか、何で埋め尽くすのかも自由だからこそ、後悔しない過ごし方をしたいし、満を持してポストコロナを迎えたい。

 

画用紙に好きな絵を描きましょうというと、日本の子どもだけが、何を描けばいいですか、と先生に指示を求めて、指示がないと何も描けないという話を思い出します。

この膨大な自由時間を何も描かずに終える日本人はきっと少なくない。

大多数の人が、課題も仕事もお上が与えてくれる世界で生きていくのだから、変な自我を持つよりいいのかもしれない。

 

ただ、日本でも仕事ができる人ほど遊びもできる人であることはヨーロッパと変わらず、やはり上手に遊べる人が、課題や仕事を与える側に回っていくのだろうな、と思いました。

ヨーロッパには仕事はできるけど、仕事以外できない、という人は本当にいなかった。

そういう意味で今こちらで時間を持て余してしまっているなら、遊ぶ技術を磨き、脱日本人する時間だと思えばいいのでは。

 

 

現状を呪い続けていつまでも暗い気持ちでいるんじゃなくて、現状を称えようじゃないですか。 

震災のときは失ったものを数えるんじゃなくて、残ったものを数えようと思いました。

今は、できなくなったことを数えるんじゃなくて、できたことでこの空白を埋め尽くしたいと思っています。

 

これ、あのときに始めて続けてるんだ、とか、あのときに身に着けたんだよね、みたいなことをひとつでも多く語れるようになれたら。

 

書きながら、働き出してから、とても前向きな考えができるようになったと、我ながら成長に驚きます笑

これは間違いなく仕事の思考が、思考回路に組み込まれたからで、一回は社会の流儀に従ってdecentな仕事した方がいい、と言われてきた理由はこれなのかも。

 

 

========

 

 

オンラインコンサートも4回目になりました。

毎週1曲仕上げるのは相当なプレッシャーだけど、こんな中でも友人たちと励ましあい、高めあえる貴重な時間なので、頑張って食らいついていく。

 

ラフマニノフのヴォカリーズ 

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ピアソラの忘却 
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それから、体力維持&前向きな気持ちになるためのランニング。

山の体力はあるけれど、走る体力はあまりなくて、走るのは大大大嫌い。

 

それでも運動することで前向きな気持ちになれるし、睡眠の質も上がって体の調子もよくなってくるのが分かる。

毎回、同じ直線ですれ違うランナー、同じところで休んでいるサイクリスト、縄跳びのお兄さん、日向ぼっこのおじいちゃん、、、

他の多くのルーティンと交わるのも、続ける喜びだったりする。

あの人今日もいた!というのに励まされるし、逆に、あの兄ちゃん今日も走ってんな、って、僕も誰かのルーティンを密かに励ませているかもしれない。そう思うと力が湧いてくる。

 

3月は歩かなさすぎたけど、4月はイースターから始めたランニングで結構稼げた。

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お料理も、精神衛生のために毎日やっています。

ロックダウン前は旅行先で外食していたので、お家では簡単なお料理しかしておらず、シェフのパパンは驚いています。入居したときに、お料理大好きだよ、と伝えていたけどずーっと、おいおい冗談だろ、と思っていた模様 笑

 

放浪時代から、食費を節約して食べたいものを我慢すると、途端に旅がつまらなくなって、つらくなってくるので、昔からストレスを溜めないように食べたいものは食べる、を貫いてきました。

 

またお料理している時間それ自体が心にとって大切な時間で、

集中して無になれる瞑想の時間として、

また、美意識や創造性など右脳の感性を発揮できる時間として、

欠かすことができないquality timeになっています。

 

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ヨガとか半身浴とか爪磨きとかお気に入りの紅茶とか各自のquality timeがあると思いますし、ないなら、今見つけられるといいですね。

 

このままイギリスでよい思い出のないまま無為に時が過ぎると、つらかった記憶だけで終わってしまい、後で振り返ってつらいでしょうし、

イギリスという名前を聞くだけでも苦々しい気持ちになるのを、一生続けることになってしまいかねないので、

ちょっとだけでも、イギリスだからできたこと、を見つけられると◎

 

今、いろいろ葛藤を抱えながら前向きに引きこもっている同じ境遇の人たちがたくさんいると思うと、励まされるし、一緒になって困難に立ち向かっていることを密かに誇りに思います。

これが終息した後も、あのときイギリスにいた人たち、には親近感を持ち続けるでしょう。アングロフォビアな僕が言うのもあれですが、、

 

でも、実は今回の危機で前より少しイギリスが好きになれた気がしています。

スーパーで大人しく2m間隔の列に加わったり、

social distanceのために狭い所で譲り合ったり、

毎週木曜日の拍手に参加したり、

ランニングで他の誰かのルーティンの一部になったり、、

こういう小さなアンガージュマンの自意識の積み重ねが、この国の地域社会の一員という意識を芽生えさせてくれたのかもしれません。

 

これまでイギリスにいたけど、イギリスに参加していなかった、という感じ。

僕にとっては会社だけがイギリスとの接点で、就労ビザ取得後も気分はワーホリの延長で、腰掛けの外国人という意識しかありませんでしたが、ここへきてようやく、社会の一員になれたような気がしました。

 

コロナ騒動の意外な置き土産になるかもしれません。

 

よい週末を。

 

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